妙顕寺Myoken-ji Temple
全国日蓮宗寺院の大本山7ヵ寺のひとつで、関西地域の大拠点です。日蓮宗の宗祖は日蓮大聖人。その孫弟子である日像上人によって元亨元年(1321)に創建されました。後醍醐天皇より勅願寺として認められ、日像晩年には二代目を大覚に継承します。
京都大旱魃の際に朝廷より雨乞い祈祷の依頼が入り、大覚は桂川まで300余人の僧侶を引き連れ祈祷に入りますが、その最中、八房大龍神が顕れ雨を降らしました。その功績を讃えられ、後光厳天皇より日蓮聖人には「大菩薩号」、日朗上人・日像上人には「菩薩号」、大覚には「大僧正」の位が授けられました。
その後、妙顕寺は大きく発展し「京中おおかた題目の巷」と言われ、京都の三分の二以上の町衆に信仰されるほどになりました。
天皇がお参りしていた「天拝鬼子母神」なども祀り、そういった偉烈を讃えるかの如く「妙顯寺は霊験無双の聖跡なり」と言われ、昔から効験ある祈祷寺院として全国に名を轟かせました。
当寺院のさげわたし数珠玉
寺宝・名所
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大本堂内陣
天明8年(1788)に洛中を襲った「天明の大火」によって、妙顕寺もほとんど焼失してしまいます。その後、天保年間の頃に焼失以前の姿の通りに復元され、現在は京都府指定有形文化財に指定されています。15間(約27メートル)四面の総ケヤキ造りで、天井は元々2匹の龍の絵(『二大龍王図』)が描かれていましたが、1975年、老朽化によって天井が崩れてしまい、修復が不可能となりました。そのため、当時寄進した方々の家紋を記念として配置しています。(※家紋の配置の詳細は本堂裏の木板に記されています)
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四海唱導の庭
勅使門に面した「四海唱導の庭」は貴人を迎えるための庭です。勅使門とは天皇家の方だけが通れる門で、妙顕寺は建武元年(1334)に後醍醐天皇によって宗門最初の勅願寺に認められたため、今でもこの勅使門が残っています。 「四海唱導」とは後光厳天皇より賜った言葉で「世界中のあらゆる人々を法華経の教えに導き、その功徳によって人々を救う」という意味が込められています。その言葉を表したのがこの庭です。左奥の3つの石組みは滝を表し、滝から流れ落ちた水が、白砂で表した大海へと広がっている様子を表しています。
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細字法華経(重要文化財)
永仁元年(1293)、二五歳の日像上人が京都弘通を志し、鎌倉由比ヶ浜で百日間の荒行を続ける中、写経を行ったときの作と伝わります。一字一字が米粒よりはるかに小さな文字で書かれていて、小さな巻物に六万九三八四字と言われる法華経の経文の全てが写経されています。一説にはねずみの髭で書かれたとも。 法華経には五種法師と呼ばれる、僧が行うべき五種類の修行方法が説かれています。それぞれ受持(信仰)、読(読経)、誦(暗誦)、解説(布教)、書写(写経)を指します。法師功徳品第一九(法華経二八品の一九番目)には、「是の法華経を受持し、若しは讀み、若しは誦し、若しは解説し、若しは書寫せん。是の人は當に八百の眼の功徳・千二百の耳の功徳・八百の鼻の功徳・千二百の舌の功徳・八百の身の功徳・千二百の意の功徳を得べし。是の功徳を以て六根を荘厳して皆清浄ならしめん」と書かれています。
沿革
妙顕寺は具足山 四海唱導 妙顯寺と称し、鎌倉時代後期の元亨元年(1321)に創建された、洛中における日蓮宗最初の寺院です。日蓮宗の開祖、日蓮大菩薩の遺命を受け、帝都弘通を果たされた肥後阿闍梨 日像菩薩により建立されました。日像菩薩は追放や迫害といった数々の法難を乗り越え、粘り強い布教を続け、後醍醐天皇より法華経布教の勅旨を賜り、宗門の教線拡大の礎を築きました。
その後、後継者として大覚大僧正を輩出し、日蓮大聖人・日朗上人・日像上人に三菩薩号を賜り、以来門下屈指の勅願寺として栄え、四海唱導とも称されました。伽藍はたびたび移転を繰り返しましたが、四条櫛笥(四条大宮の西南)を中心に活動していたことから、一門は四条門流と呼ばれました。
その後も各地を転々としましたが、応仁の乱や天文法難を経て、室町時代後期には二条西洞院の地に移ります。本能寺の変後、豊臣秀吉の命により、堂宇を現在の地である小川寺之内に移転、今日の伽藍の形が定まりました。
江戸時代には天明8年(1788)の大火「天明の大火」により、伽藍の大半を消失しましたが、すぐに復興されます。現在の建物の大半はそのときに再建されたものです。
その後、明治の廃仏毀釈や戦後の混乱期を乗り越え、現在に法燈を受け継いでいます。
拝観のご案内
現在の情報
- 公開期間
- 常時公開 ※春と秋に特別公開とライトアップが催されます(詳細は妙顕寺HPをご覧ください)
- 公開内容
- 本堂・仏殿・客殿・書院・4つの庭園など
- 拝観休止日
- 行事などにより拝観休止になる場合があります(HP・SNSなどでその都度お知らせします)
- 拝観時間
- 10:00~16:30(16:00受付終了)
- 拝観料
- 通常公開時 500円 特別公開時 800円 夜間拝観時 800円
- ご連絡先
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- 電話番号 / FAX
- TEL 075-414-0808 / FAX 075-414-0848
- メールアドレス
- info-ryuge@shikaishodo-myokenji.org
- URL
- https://www.shikaishodo-myokenji.org/
行事案内
現在の情報
行事案内
1月8日 | 11:30 | 新年祝祷会、新年会、八日講 |
2月3日 | 14:00 | 節分星祭、八日講 |
2月24日 | 13:00 | 慶中稲荷大祭(二の午) |
4月8日 | 13:00 | 花祭り、八日講 |
4月14日 | 13:00 | 所願成就会 |
5月8日 | 13:00 | 八房大龍神祭、八日講 |
6月2日 | 10:00 | 光琳忌 |
6月16日 | 13:00 | 法華懺法会 |
8月10日 | 13:00 | 盂蘭盆施餓鬼会 |
10月13日 | 11:00 | 西山宝塔参拝 |
11月13日 | 13:00 | 宗祖並日像菩薩御会式、八日講 |
11月14日 | 10:00 | 日像菩薩御廟参拝(深草寶塔寺内) |
12月8日 | 14:00 | 御火焚祭、八日講 |
12月31日 | 23:15 | 歳末読誦会、除夜の鐘 |
・月例法要 八日講 : 毎月8日 14:00より 鬼子母神堂にて
※日時を変更する場合もございます。参詣の際にはご連絡ください。
※年間行事に「八日講」と書かれている月は、その行事に併せて八日講を行います。
・特別公開とライトアップの際は本堂・仏殿・客殿・書院・4つの庭園のほか、宝物殿が開放されます。また、まるごと美術館主催の現代アーティストによる特別展の開催や夜間ライトアップ、限定御朱印など有ります。
交通案内
- 名称
- 具足山 四海唱導 妙顯寺
- 所在地
- 〒602-0005 京都市上京区妙顕寺前町514
- 交通アクセス
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- 京都駅から市バス
市バス9系統「堀川寺之内」下車 徒歩約5分
- 京都駅から地下鉄
地下鉄烏丸線京都駅(国際会館行き)「鞍馬口駅」下車 徒歩約10分
- 車でお越しの方
・境内北側と西側にコインパーキング有り
・妙顯寺近辺にも多数のコインパーキング有り
・駐輪場(バイク)は境内西側に有り
- 駐車場
- 有り(コインパーキング)