御寺 泉涌寺Mitera Sennyu-ji Temple
天皇家からも篤く信仰された御寺
真言宗泉涌寺派の総本山で、皇室との関連が深く『御寺(みてら)』とも呼ばれています。
「泉涌寺」は、もと仙遊寺と称されていましたが、鎌倉初期に月輪大師俊芿(しゅんじょう)が宋の法式を取り入れて、大伽藍を営むことを志した際、敷地の一角から清水が湧き出たことから「泉涌寺」に改称されました。
総門内の参道両側をはじめ山内一円には塔頭寺院が建ちならび、奥まった境内には大門、仏殿、舎利殿を配した中心伽藍と天智天皇、光仁天皇そして桓武天皇以降の天皇・皇族方の御尊牌をお祀りする霊明殿と御座所、庫裡などの建物が甍を連ねています。
全山が木々に包まれて静かに佇む堂宇、玉砂利の境内は、春は新緑、秋は紅葉に色どられて、一種別天地の雰囲気をかもしだします。
また、泉涌寺は、皇室の御陵に香や花を供える役割を担う「香華院」とされ、泉涌寺を祖流とするいけばな「華道 月輪未生流」や、「香道 泉山御流」の特別体験会も開催されています。
寺宝・名所
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大門
泉涌寺道を登った所、伽藍の最も高い位置に建つ大門は、「東山」の額を掲げて東山門とも呼ばれます。 慶長度内裏の南門を寛永年間に移築した四脚門で、屋根は切妻造の本瓦葺き、組物は三斗組で妻に板墓股を用いています。 とくに入り側の墓股には唐獅子・龍・膜麟・ 2莫などの霊獣彫刻があるなど桃山建築の遺風を感じさせ、簡素ながら堂々とした正門となっています。
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泉涌寺水屋形
泉涌寺の淵源は、天長年間に弘法大師が草庵を結んだとも、藤原緒嗣の建立した法輪寺とも伝わりますが、やがて仙遊寺と改称されます。 建保6年(1218)に宇都宮信房から寄進された寺地に、俊抗律師が伽藍を造営した時、清水が涌き出たのにちなみ泉涌寺に改めたものです。 泉涌寺の名の由来となった清泉を覆う屋形で、寛文8年(1668)の再建です。屋根は入母屋造り、妻入正面に軒唐破風を付けた杮葺、正面に桟唐戸、上部には弓欄間も見られます。内部は別所如閑筆の「雲龍図」のある鏡天井となっています。泉水は今も尽きることなく涌き続け、開山律師の仏教興隆への思いが伝わってくるようです。
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仏殿
大門から「降り参道」をおりれば正面に建つのが仏殿で、寛文8年(1668)四代将軍徳川家綱によって再建された本堂です。本格的な唐様建築(禅宗様式)の特徴を完備した代表作として、国の重要文化財となっています。建物内部は天井まで組物がつらなる空聞が美しく、高い須弥壇には運慶作と伝わる阿弥陀・釈迦・弥鞠の三尊仏が安置されています。 現在・過去・未来をあらわす「三世仏」は、国内では珍しいものですが、宋代寺院に流行していた形式です。天井に描かれた「雲龍図」、本尊背後の「飛天図」、裏壁の「白衣観音」もすべて狩野探幽の筆になるものです。
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舎利殿(非公開)
舎利殿は、釈迦の歯(仏牙舎利)を奉安する貴重な霊殿です。慶長年間、京都御所の建物を移築改装したもので、仏殿と同時代に現位置へ移されました。開山俊芿律師が熱願された舎利を、弟子の湛海律師が安貞2年(1228)に宋朝より将来して祀られたものです。現在寛喜2年(1230)将来された韋駄天像・月蓋長者像(共に重文)とともに内陣に奉祀されています。毎年、請来の日とされる10月8日(旧暦9月8日)には舎利会法要が営まれ、多くの参拝者でにぎわっています。 また舎利殿は謡曲『舎利』の舞台としても名高く、天井には狩野山雪筆の龍図が描かれ、「鳴龍」としても知られています。 舎利塔の中には、仏牙舎利が納められ、左右には月蓋長者・韋駄天が従います。謡曲『舎利』はこの仏牙が盗まれ、韋駄天が取り返す物語です。 御内庫左右の板壁面に各八体ずつ描かれた十六羅漢像で、第六代・木村了琢の筆。寛文8年(1668)に完成しています。
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霊明殿(非公開)
可憐な唐門から白砂の庭のむこうに拝されるのが霊明殿です。霊明殿とは、歴代天皇の御尊牌(お位牌)をお把りした場所の通称ですが、泉涌寺の霊明殿は皇室の御崇敬において他に異なるものがあります。現在の霊明殿は、明治17年に明治天皇の思し召しによって宮内省が再建したもので、重厚な入母屋造り檎皮葺き、すべて尾州槍材で造られた品格ある建築物です。殿内は内陣・中陣・外陣に分かれ、内陣は5室の御厨子となっています。それぞれに御扉を設け、中央御扉内には四条天皇御尊像と御尊牌をはじめ、明治天皇・昭憲皇太后・大正天皇・貞明皇后・昭和天皇・香淳皇后(皇室祭杷令の定める前四代)の御真影・御尊牌が奉安されています。 それ以前の天皇・皇后・門院方の御尊牌は左右の御扉内に、さらに左右には親王・内親王方の御尊牌も奉安されています。
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御座所
明治15年(1882)霊明殿炎上とともに、庫裡・書院も焼失し、明治天皇は、霊明殿の再建と併行して京都御所内にある皇后宮の御里御殿をお移しになりました。この建物は文化15年(1818)に造営されたものです。御殿は西に御車寄があり、これに続く一棟は六室に別れ、侍従の間、勅使の間、玉座の間、女官の間、門跡の間、皇族の間と呼んでいます。南東玉座の間は一段高くなっており、特徴の違う棚が備えられ、障壁の瑞鳥花弁図は土佐派の宮廷絵師の筆です。東北の室はかつて皇后御産の間であったところで、すべての部屋の襖は様々な主題の絵が描かれ、宮廷生活の一端が偲ばれています。なお御座所は両陛下はじめ、皇族方の御陵御参詣の際の御休所として現在も使われています。御座所の東南から南側にかけては、御庭が築かれています。低い築山の裾に曲折する池の汀、ひかえめに咲くさつき、真紅の紅葉、薄すらと雪化粧した雪見灯篭に映える梅もどき等々、四季折々に楽しませてくれます。
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楊貴妃観音堂
大門を入って左手奥の堂で、六羅漢像の中央に聖観音(楊柳観音)が安置されています。聖観音は湛海律師が寛喜2年(1230)に南宋から請来した木像です。像容の美しさから、玄宗皇帝が亡き楊貴妃の面影を写させて造像したとの伝承を生み、江戸時代初め頃から「楊貴妃観音像」と呼ばれ信仰されています。特に彩色が多く残り、生けるが如くに端坐する御姿は、その名に相応しい尊像です。多くの女性から美人祈願の観音様として親しまれています。 大門を入って左手奥の堂内、六羅漢像の中央に安置される聖観音像(重文)で湛海律師が寛喜2年(1230年)月蓋長者像・韋駄天像などとともに将来された像である。
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心照殿
名称の「心照殿」は中御門天皇から俊荷律師に下賜された国師号「大円覚心照国師」から拝借して命名されました。泉涌寺に伝わる開山大師の墨跡を始め、とくに歴代天皇の御尊影・御遺品ほか、仏画・経典・古文書など、国の重要文化財や府・市指定の文化財および未公開資料も多く収蔵しています。 一般の目にふれることの少ない品々を、年四回の企画展によって見ていただいています。
お知らせ
切り絵朱印(春)完売のお知らせ
3月1日より、泉涌寺御朱印所にて
販売しておりました、切り絵朱印(春)は、完売いたしました。
現在取り扱いはございませんのでご注意ください。切り絵朱印(春)販売開始のご案内
3月1日より、泉涌寺御朱印所にて
切り絵朱印(春)を販売いたします。
1枚800円となっており、無くなり次第終了と致します。
皆様のご参拝をお待ちしております。
沿革
泉涌寺の淵源は、天長年間に弘法大師が草庵を結んだとも、藤原緒嗣の建立した法輪寺とも伝わりますが、斉衡2年(855)左大臣藤原緒嗣が僧・神修のために山荘を与えて寺となし仙遊寺と称するようになりました。
建保6年(1218)に当寺が開山と仰ぐ月輪大師・俊芿(がちりんだいし・しゅんじょう)が宇都宮信房から寄進された寺地に、伽藍を造営した時、清水が涌き出たのにちなみ泉涌寺に改めました。この泉は今も枯れることなく涌き続けています。
大師は、若くして仏門に入り、大志をもって求法のため中国の宋に渡り、滞在12年、顕密両乗の蘊奥(うんおう)を究めて帰国しました。帰国後は泉涌寺において戒律の復興を計り、当寺を律を基本に、天台・真言・禅・浄土の四宗兼学の道場とし、北京律の祖と仰がれました。
そのため当時朝野の尊信篤く、後鳥羽・順徳上皇、後高倉院をはじめ、北条政子、泰時も月輪大師について受戒するなど、公家・武家両面から深く帰依されます。大師入滅後も皇室の当寺に対する御帰依は篤く、仁治3年(1242)正月、四条天皇崩御の際は、当山で御葬儀が営まれ、山陵が当寺に造営されました。その後、南北朝~安土桃山時代の諸天皇の、続く江戸時代には後陽成天皇から孝明天皇に至る歴代天皇・皇后の御葬儀は当山で執り行われ、山陵境内に設けられて「月輪陵(つきのわのみさぎ)」と名づけられました。こうして当山は皇室の御香華院として、長く篤い信仰を集めることとなります。泉涌寺が「御寺(みてら)」と呼ばれる所以でもあります。
拝観のご案内
現在の情報
- 公開期間
- 3月〜11月 / 12月〜2月 ※拝観時間が異なります
- 公開内容
- 【伽藍拝観でご覧いただける施設】大門 仏殿 楊貴妃観音堂 泉涌水屋形 舎利殿 心照殿
【特別拝観でご覧いただける施設】御座所 御座所庭園 海会堂
※内部非公開の施設もございます。また、行事により一部施設が拝観できない日や時間がございます。 - 拝観休止日
- ※毎月第4月曜日、『心照殿』(宝物館)は休館しております。
※行事により一部施設が拝観できない日や時間がございます。
詳しくは泉涌寺Hp(https://mitera.org/)今月の行事カレンダーを参照下さい。 - 拝観時間
- 3月〜11月9:00~16:30 (閉門17:00)
12月〜2月9:00~16:00 (閉門16:30) - 拝観料
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伽藍拝観 大人 500円 /子供 300円(小中学生)
※高校生以下の団体様はお断りさせていただいております。 特別拝観 500円(中学生以上)
※特別拝観をされる場合、子供(小学生以下)は同伴者が必要です。
※高校生以下の団体様はお断りさせていただいております。 - ご連絡先
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- 電話番号 / FAX
- 電話番号:075-561-1551
- URL
- https://mitera.org/
行事案内
現在の情報
年中行事
1月1日~3日 | 修正会 |
1月成人の日 | 泉山七福神巡り(山内寺院) |
1月 | 大般若法要 |
2月3日 | 星供法要 |
3月14~16日 | 涅槃会 |
4月1日~8日 | 開山忌法要 |
5月 | 大般若法要 |
7月14、15日 | 盂蘭盆法要 |
9月2日 | 静寛院宮法要 薮内献茶式 |
9月 | 大般若法要 |
10月7、8日 | 舎利会法要 |
12月31日 | 結界諷経 |
交通案内
- 名称
- 総本山 御寺 泉涌寺
- 所在地
- 〒605-0977 京都市東山区泉涌寺山内町27
- 交通アクセス
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- JRでお越しの場合
京都駅(八条口)から、タクシーで約10分
京都駅(烏丸口)から、市バス(208)にて泉涌寺道下車、徒歩15分
東福寺駅(奈良線)から徒歩20分
- 京阪電車でお越しの場合
七条駅から市バス(208)にて泉涌寺道下車、徒歩25分
祇園四条駅から市バス(207)にて泉涌寺道下車、徒歩15分
東福寺駅から徒歩20分
- 阪急電車でお越しの場合
河原町駅下車、四条河原町バス停から市バス(207)にて泉涌寺道下車、 徒歩15分
- 近鉄電車でお越しの場合
京都駅(八条口)から、タクシーで約10分
京都駅(烏丸口)から、市バス(208)にて泉涌寺道下車、徒歩15分
東寺駅から、市バス(202、207、208)にて泉涌寺道下車、徒歩15分
- 駐車場
- あり(泉涌寺駐車場)