三千院門跡Sanzenin Temple
創建は伝教大師最澄が比叡山延暦寺建立の際、草庵を結ばれたのに始まります。別名、梶井門跡、梨本門跡とも呼ばれる天台宗五箇室門跡の一つで、皇子、皇族が住職を勤めた宮門跡です。
大原の地は千有余年ほど前より魚山と呼ばれ、声明(仏教音楽)の発祥の地であり、また、念仏聖による浄土信仰の聖地として今日に至ります。
院内には有清園、聚碧園、二つの池泉式庭園を有し、宸殿より往生極楽院を眺める有清園は、天を突くように伸びる杉木立の中を青々と茂る広い苔庭が広がり、春には山桜と石楠花が庭園を淡く染め、夏の新緑、秋の紅葉、そして雪景色と季節毎にその色を変えます。
江戸時代の茶人・金森宗和による修築と伝わる聚碧園は季節ごとに山野草が咲き、緑に彩りを添えます。
寺宝・名所
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宸殿
宸殿は後白河法皇より始められた宮中御懺法講(声明による法要)を今に伝える道場であり、三千院の本堂です。 本尊は伝教大師作と伝わる薬師瑠璃光如来で、秘仏となっております。 西の間には歴代住職法親王の尊牌が厳かにお祀りされており、東の間には天皇陛下をお迎えする玉座を設え、その襖には下村観山の筆による大きな虹が描かれていることから「虹の間」とも呼ばれています。
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往生極楽院
三千院の歴史の源とも言える簡素な御堂です。 寺伝によれば、平安時代に『往生要集』の著者で天台浄土教の大成者である恵心僧都源信が父母の菩提のため、姉の安養尼とともに建立したと伝えられます。また、近年の調査により、勢至菩薩の像内墨書から久安四年(1148)の造立であることがわかっています。 往生極楽院に祀られている国宝の阿弥陀三尊像はお堂に比べて大きいため、堂内に納める工夫として、天井を舟底型に折り上げていることが特徴です。 現在は肉眼でわかり難いものの、天井には極楽浄土に舞う天女や諸菩薩の姿が極彩色で描かれており、その実物大の復元模写を宝物館円融蔵にて往時の姿に再現しています。
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国宝阿弥陀三尊坐像
往生極楽院の堂内中心に鎮座する阿弥陀如来は来迎印を結び、向かって右側の観世音菩薩は往生者を蓮台に乗せる姿で、左側の勢至菩薩は合掌し、両菩薩共に少し前かがみに跪く「大和坐り」で、慈悲に満ちたお姿です。 「大和坐り」とは、膝を少し開き、上半身を前屈みにしたお姿です。往生者をお迎えする、まさにその一瞬を表しているといわれ、平安時代を代表する三尊像として国宝に指定されています。
沿革
三千院は延暦年間(782‐806)に伝教大師最澄が比叡山延暦寺建立の際、東塔南谷の梨木の下に草庵を結ばれたことを起源とします。
その後、慈覚大師円仁に引き継がれ、平安後期、堀川天皇の第二皇子最雲法親王が14世の門主となられ、皇子、皇族が住持する宮門跡となりました。
明治四年、法親王還俗にともない、梶井御殿内の持仏堂に掲げられていた霊元天皇御宸筆の勅額により、三千院と称されるようになります。
明治維新後、以前より政所を置いていた大原に移り、「三千院」として1200年の歴史をつないでいます。
拝観のご案内
現在の情報
- 公開期間
- 無休
- 拝観休止日
- なし
- 拝観時間
- 9:00~17:00(11月8:30~17:00、12月~2月9:00~16:30)
- 拝観料
- 一般700円(団体30名以上600円) 中学生・高校生400円(団体30名以上300円) 小学生150円
- ご連絡先
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- 電話番号 / FAX
- TEL 075-744-2531 / FAX 075-744-2480
- URL
- http://www.sanzenin.or.jp
行事案内
現在の情報
令和3年 三千院門跡 年間行事予定
月 | 日 | 行事内容 |
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1月 | 1日 | 修正会 |
1月 | 15日 | 左義長 |
1月 | 28日 | 不動初縁日護摩供 |
2月 | 3日 | 節分会 |
2月 | 11日前後 | 初午大根焚き |
2月 | 15日 | 涅槃会 |
2月 | 28日 | 星供 |
春分の日 | 春季彼岸会 | |
4月 | 8日 | 釈尊降誕会 |
4月 | 中旬 | 不動大祭開闢採灯大護摩 |
5月 | 30日 | 御懺法講 |
7月 | 15日 | 盂蘭盆会施餓鬼 |
8月 | 12日 | 万灯会 |
秋分の日 | 秋季彼岸会曼荼羅供 | |
10月 | 18日 | 観音大祭百味供 |
12月 | 21日 | 托鉢寒行 |
交通案内
- 名称
- 三千院門跡
- 所在地
- 〒601-1242 京都市左京区大原来迎院町540
- 交通アクセス
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- 電車、バスでお越しの方
JR京都駅から京都バス
京都駅烏丸口から京都バス17系統大原行き→大原下車徒歩10分
JR京都駅から地下鉄と京都バス
地下鉄烏丸線京都駅から国際会館行き→国際会館下車
バス停国際会館から京都バス19系統大原行き→大原下車徒歩10分
阪急電車烏丸駅から地下鉄と京都バス
地下鉄烏丸線四条駅から国際会館行き→国際会館下車
バス停国際会館から京都バス19系統大原行き→大原下車徒歩10分
京阪電車出町柳駅から京都バス
出町柳駅から京都バス17系統大原行き→大原下車徒歩10分
- お車、タクシーでお越しの方
お車の方
名神高速京都東ICから国道161号線湖西道路経由、真野IC下車。
「途中」方面へ向かい、「途中」を経由して、大原方面へ。
タクシーの方
京都駅から約50分。阪急河原町駅から約40分。国際会館駅から約20分。
- 駐車場
- 当院に駐車場はございません。近隣の民間駐車場をご利用ください。